さすが職業的判断?

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Windows7の終焉

 長年、仕事環境で愛用されてきたWindowsNTの流れを汲むWindowsXP Proの後継Windows7 Proが来年1月早々にMicrosoft社のサポートが終了となります。

 コンピュータを動かす基本のO/S(Operation Software)であるWindows7がノーサポートになるということは、刻々と変化するInternetの脅威に対応出来ないだけでなく、日々進歩するInternet閲覧情報の世界にも追従出来ず、見れなくなるサイトや使えなくなるサービスも有り得るでしょうから、土壇場で困らない様に早めに対応を終える必要があります。

 また、会計ソフトや電子カルテ等々様々な業務ソフトを使用している場合も同じで、それらが動く土台をMicrosoft社がサポートしないのですから、各ソフトウェア提供会社もWindows7環境で動く環境をサポートしなくなります。。

 従って否が応でも対応しなくてはなりませんが、長らくWindows7環境で安定して活用してきた場合に、ハードウェアそのものが後継であるWindows10に対応していない場合も多く、尚且つ併用して使われてきたMicrosoft Office2010(Word、Excel、PowerPoint、Outlook等)も来年の10月には追ってサポート停止となりますので、WIndows10ベースのハードウェア+Microsoft Office2019まで含めて入れ替えるとなると、一台当たりの金額はそれなりの価格になります。

 ましてや今の時代、コンピュータ無しでは仕事になりませんから、小規模組織で人数分入れ替えるとなると100万円単位の金額になろうかと思います。

とある会計事務所のお話し

 サーバー1台、端末約10台近くの環境で6年近く安定した環境でお使いになられているお客様より打診が有り、以降の為の概算見積を準備し、少しでも初期投資を抑える方法含め、次の3パターンをご提案差し上げました。

  • サーバー含め、来年10月にはサポート停止になるMicrosoft Officeも最新版に更新する。
  • 今回はMicrosoft Officeの更新は見送り、ベース環境を新しいPC+Windows10環境に移行し、改めて来年10月にMicrosoft Officeを更新する。
  • サーバーは直接Internetに繋がる必要のないFileサーバーなので、端末群は最新にし、サーバーは最も故障率が高い内蔵ハードディスクを高速なSSD(Solid State Drive:メモリ型ドライブ)に置き換える。。

 目先に金額は下がりますが、後日改めて作業が入る2番目の2段階以降は当然合計金額は一番高くなります。

 説明させて頂いた相手は会計事務所の所長様。 即決で200万円台の投資を「消費税10%になる前に!」と全て入れ替えをご判断頂きました。

 会計的に見てもPCは今の時代単年償却出来ますし、いっても3年償却、サーバーにしても5年償却ですから、既に6年ちょっと使い続けてきているので元は取れております。

 また、消費税Upは元より、年間稼働日200日として計算しても一人頭200円程度の経費。 複雑化する会計処理、年度決算処理、各種税務申告処理をソロバン片手に手書きで処理していた時代を考えれば、どれ程の効率化が実現出来ているのかは体感為さって来ておられるが故に、瞬時にそうした見えない金額(手間、残業代等々)も計算為さっているのではないかと思います。

よく見受けられるパターン

 日常何気なく業務処理出来ている日々の中で、いきなり200万円台の投資が必要...と言われたらどうなるでしょう? 大企業なら人数が多い故に恐らくは億単位の投資になるかと思います。

 PC化、情報化が始まった1900年代に経営陣の会議で経営者が金額の総額だけを見て口にした「高い!」が今でもあちらこちらで繰り返されているのも事実かと...。

 中身を見ず、中身を知らず、金額の多寡だけ見て、よく目にする「新聞広告の1台万円のPCでいいじゃないか!」とか...。

 実際に金額の多寡だけで判断し、導入為された組織、お客様方も数多く見てきましたが、結局は数年で使い物にならず、あるいはそれだけでは使い物にならず、あれこれ後から買い足したりして、長期(5年、10年単位)で見ると、結果的には投資する額は大きくなっているのも事実です。

 また意外に怖いのは見えないコストです。

 安価なコンシューマー向け(一般家庭向け)のO/SであるWindows10 Home Edition搭載のPCを購入したが故に、動作も遅く、頻繁にフリーズしたり、その度に時間を掛けて作ったデータが消失してあちらこちらで悲鳴が上がったり、環境修復、データ修復の為に多大な時間を割いたり、挙句の果ては残業までしなくてはならない羽目に...。

 それらのコスト迄加味して考えた場合、目先の金額をなんの根拠も無く弄り回して関係者の多大な時間を浪費し、挙句の果てには時期を逸して何か意味が有るかと考えた時に、組織的に、長期的に何らメリットは無いかと思います。

 更に言えば...そうした経営会議で不用意な言葉を口にした経営陣がその結果に対して責任を何かしら取るのか?...と言えば、まず無いですよね?

長年培ってきた日本の良き文化

 単に価格だけの比較サイトや、見た目安く見せる税抜き表示(税込表示は小さな文字で表記)することが横行したり、相見積と称して、中身も条件も異なるのに金額だけで安い見積を提示した業者に決定したりということが数多く見受けられる現代ですが、これが本当の日本文化なのでしょうか?

 腕の良い職人、仕事の丁寧な会社、何かあっても即応してくれる業者。 そうした「人」に軸足を置いて、丁寧に、大切に付き合いをしてきたのが本当の日本文化の様な気がします。

 確かに時代の進歩と共に切磋琢磨し、職人、会社、業者の方も研鑚に努めるのは当然ですが、付き合いの中で取引先を育てる...という行為も大切で、それが世界に誇れる最高の技術、品質を生んできたとも言えるのではないでしょうか。

 大手企業に居た当時、役員決裁が降りた情報機器購入に際して資材部から待ったが掛かったことがあります。 資材部の言い分も当然で、調達部材は少しでも安い処から...は理解しますが、情報機器の様に使ってなんぼの代物は、運用時のトラブルの納品業者がどの様に対応してくれるのかも重要になります。

 一部門の係長であった私が資材部長に言ったのは一言。

 「資材部権限で安い業者から見積を取り直してそこから調達するのはいいが、運用時の対応は資材部が責任を以って夜中だろうが休日だろうが対応することを保証するということが条件」

 そんな会社は、よほどの保守費を払わない限り有り得ません。 長年のお互いの信頼関係や、信用度の上に成り立っている貴重な無形の価値です。 言わずもがな...予算内金額として更なる投資額抑制も加味され、役員決裁まで降りた当初の見積で無事に発注されました。

 お陰で製造業の中核を担う多くの技術者が情報機器投資の恩恵に与かり、従来よりより短期間に、高度な技術開発が可能となったことも事実です。

 うろ覚えですが幼い頃に読んだか、聞いたか...

 彫刻で有名な左甚五郎が家康に呼び出された際に、自分が掘り上げた彫刻作品を一品目の前に置いて何両で買うかを訪ねたそうです。 ひと目見て家康は何十両と言う値付けをし、これを聞いて左甚五郎は仕事を引き受けたとか...。

 頼む側も受ける側も真剣勝負で、本当の価値、本質をしっかり捉えて付き合う。 日本古来の職人気質も、そうした本質をしっかりとお互いに大切にする取り引きも大事にしたいものです。