使い続けるからには出来るだけの支援を

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過去のシステムでありながらも未だ現役

 Windows10やスマホ等が話題を浴びて、タブレットも含めて最新のIT技術を駆使した機器が身近に溢れておりますが、「NEC PC98」というWindows時代の前(1980年代)に一世風靡したパソコンをどれだけの方が記憶に留めておられるでしょうか。

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 既に「博物館物」と片付けてしまえないユーザーも実はまだ居られます。 製造業の製造ラインに組み込まれている機器もそうですが、実は一般ユーザーのご高齢(92歳)の方は長年使い続けてきたMS-DOS(Windows流通以前のシステム)の世界に慣れ親しんでおり、用語もマウス操作も現代の環境には追従出来ない...と言ったら語弊がありますが、お仕事をする上で別段用が足りているので、古い環境をお使いになっておられます。

 しかし、メーカー修理は打ち切られ、秋葉原辺りでも最近ではPC98の中古部品を並べるお店も無くなり、動いている限りにおいては問題ないですが、故障が起きるとどうにもなりません。

 特にマウスやキーボード、プリンタの類に至っては尚更で、コネクタ形状含めたインタフェース(接続部分)も独自な為に現在流通しているものでは代替えは効きませんし、今では当たり前の様なUSBの口も持っておりませんし、USBが使える様に内蔵の増設インタフェース・ボードを手に入れて機能追加により物理的にUSBが利用出来たとしても、今時流通している装置用のMS-DOS用ドライバ・ソフトウェア(システムに機器を認識させる為のプログラム)はどこも供給しておりません。

 帳票用紙を打ち出すドットマトリクスプリンタ

 綴り用紙(2枚、3枚複写)の需要は、まだ様々な分野で残っておりますのでその手の仕事に関わっておられる方はこの「ドットマトリクスプリンタ(ドットインパクトプリンタ)」という名前は判るかも知れませんが、インクジェットやレーザーが主流の現在では死語になりつつある世界かもしれません。

 保険業や流通業では未だに綴り用紙は必須ですから大手メーカーさんでも細々と作り続けているようですが、流石に昔の様に台数売れる訳では無いですし、価格競争の世界は過ぎ去ったので、今購入しようとすると非常に高額ですし、当然ながら現在市販されているものは全てWindows7以降(辛うじてサポートしてくれるのはWindowsXPまで)ですから、更に6世代前のシステム用のドライバ・ソフトウェアを提供することなどは無いですから使えそうで使えないという羽目になります。

 弊社に入ったSOSは、「紙送りの丸いノブが破損して空回りしている」「紙をセットしてカバーを締めてもエラーランプが点滅して印刷できない」という状況でした。

 大手企業や利用者が若ければ、高額でも機器を購入してリプレースしたり、システムそのものを最新のWindows7以降の環境に置き換えればいいという話になりますが、90歳を超えたご高齢の方には負担以外の何物でもなく、「仕事を辞めなさい」と言うのと等しいことになります。

 リスクをご了承頂いて、分解し、その場で直せる手立てを用いて破損/劣化したノブを修復/補強し、各所にある接点を簡易修理致しました。

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仕事に必要なものは「安定稼働」と「継続」

 目新しい、話題性のある方がいいお仕事環境も有るかとは思いますが、ほとんどの方にとっては「安定」して使い慣れたものをいつまでも「継続」して使い続けられることではないでしょうか。 まずはそこがベースに有り、余力が出来て...とか、次に進まなければならない、あるいは進みたいという状況が生まれて初めて、「今まで」をある程度は継承しつつ、出来るだけスムーズに、そして楽に移行できるのが一番ですので、そのために知恵を絞り、工夫し、お手伝いするのが私達のやるべきことだと思っております。